井岡一翔

Kazuto Ioka
32 4 1
(17KO)

プロフィール

国籍JP
生年月日1989-03-24
構えオーソドックス
身長164 cm
リーチ164 cm
主戦階級S.フライ級
所属ジム志成ボクシングジム

バイオ

井岡一翔は1989年3月24日、大阪府堺市に生まれた日本のプロボクサーです。現在は志成ボクシングジムに所属し、日本人男子ボクサー初となる世界4階級制覇を達成した実績を持ちます。元WBA・WBC世界ミニマム級統一王者、元WBA世界ライトフライ級王者、元WBA世界フライ級王者、元WBA・WBO世界スーパーフライ級王者という輝かしい経歴を誇り、日本ボクシング界を代表する選手の一人として知られています。

井岡は中学1年時に叔父である井岡弘樹が所属していたグリーンツダジムでボクシングを始め、中学3年時に叔父と父が設立した井岡ジムへ移籍しました。興國高等学校在学中には、ライトフライ級で2年時に選抜大会、インターハイ、国体の三冠を達成し、3年時も同様に三冠を獲得して粟生隆寛、大迫亮に次ぐ史上3人目の高校6冠を達成するなど、アマチュア時代から非凡な才能を発揮しました。高校卒業後は東京農業大学に進学して北京オリンピック出場を目指しましたが、全日本選手権で2年連続準優勝に終わり、オリンピックという目標が消えたことを理由に大学を2年途中で中退してプロ転向を決意しました。

2009年にプロデビューを果たした井岡は、デビュー戦から圧倒的な強さを見せつけました。2011年2月11日、プロ7戦目でWBC世界ミニマム級王者オーレイドン・シスサマーチャイに挑戦し、5回TKO勝ちで王座を獲得しました。この記録は辰吉丈一郎と名城信男の当時の国内最速記録を更新するものであり、平成生まれの選手としては初の世界王者となりました。試合後のインタビューでは4階級制覇を宣言し、その野心的な目標が注目を集めました。2011年には2度の防衛に成功し、2011年12月31日の防衛戦では初回1分38秒TKO勝ちという当時の日本選手による世界王座防衛戦最速記録を樹立しました。

2012年6月20日には、WBA世界ミニマム級王者の八重樫東と日本人による初の王座統一戦を行い、判定勝ちでWBA王座も獲得して日本人初の同一階級での世界王座統一を達成しました。この歴史的な勝利により、リング誌のランキングでも1位に上昇しました。その後、両団体の規定によりWBC王座を返上し、ライトフライ級での2階級制覇を目指すこととなりました。同年12月31日、元WBA世界ライトフライ級暫定王者のホセ・アルフレド・ロドリゲスとの王座決定戦に勝利し、プロ11戦目という日本人選手最短記録で2階級制覇を達成しました。この功績により、2012年の最優秀選手賞を受賞し、八重樫東との統一戦は年間最高試合にも選ばれました。

ライトフライ級では3度の防衛に成功し、2014年にはWBAの正規王座に昇格しました。その後フライ級に転向し、2014年5月7日にIBF世界フライ級王者アムナット・ルエンロンに挑戦しましたが、判定負けを喫して3階級制覇は失敗に終わりました。しかし諦めることなく再起を図り、2015年4月22日にWBA世界フライ級王者ファン・カルロス・レベコに判定勝ちし、ジェフ・フェネックを上回る最速での3階級制覇を達成しました。フライ級では5度の防衛に成功し、2016年12月31日には暫定王者のスタンプ・キャットニワットとの統一戦に勝利して王座統一も果たしました。

2017年11月には一度引退を表明しましたが、約7か月後の2018年7月に現役復帰を発表し、アメリカのプロモーターである360プロモーションズと契約を結びました。練習拠点をラスベガスに移し、2018年9月8日にアメリカのザ・フォーラムで復帰戦を行い、WBCスーパーフライ級シルバー王座を獲得しました。同年12月31日には元3階級制覇王者のドニー・ニエテスとWBO世界スーパーフライ級王座決定戦を行いましたが、判定負けを喫しました。

2019年には国内復帰を果たし、同年6月19日にWBO世界スーパーフライ級王座決定戦でアストン・パリクテに10回TKO勝ちし、日本人男子ボクサー初の4階級制覇を達成しました。この偉業は日本ボクシング史に新たな1ページを刻むものとなりました。スーパーフライ級では着実に防衛を重ね、2020年12月31日には世界最速16戦目での4階級制覇を目指した田中恒成との対戦で8回TKO勝ちを収め、この勝利によりリング誌のパウンド・フォー・パウンドランキングで10位にランクインしました。2021年9月1日には元IBF・WBOミニマム級統一王者のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニアとの激しい打ち合いを制し、2022年7月13日にはドニー・ニエテスとの再戦で完勝して約3年7か月ぶりのリベンジを果たし、世界戦通算20勝の区切りを達成しました。

2022年12月31日にはWBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコと王座統一戦を行いましたが引き分けに終わり、2023年6月24日の再戦では相手の計量失格により変則条件での試合となりましたが判定勝ちを収めて王座を獲得しました。2023年12月31日には7回KO勝ちで初防衛に成功し、この試合はABEMAで無料配信され228万視聴を記録しました。2024年7月7日にはIBF世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネスとの統一戦に挑みましたが判定負けを喫し、王座から陥落しました。その後2度にわたりマルティネスとの再戦が組まれましたが、1度目は相手の体調不良で中止、2度目の2025年5月11日の試合でも判定負けを喫しました。

2025年9月30日、井岡はバンタム級への転向を発表し、同年12月31日の転向戦でベネズエラ王者のマイケル・オールドスゴイティに4回KO勝ちを収め、WBA世界バンタム級挑戦権を獲得しました。2026年5月2日には東京ドームで井上尚弥対中谷潤人の前座としてWBC世界バンタム級王者の井上拓真との対戦が予定されており、勝利すれば日本人男子史上初となる世界5階級制覇という偉業を達成することになります。

井岡のキャリアは順風満帆だけではありませんでした。2020年12月31日の試合では入れ墨を隠さずに試合をしたことでJBCルール違反として厳重注意処分を受けました。また2021年には試合前のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応が出たとして薬物疑惑が持ち上がりましたが、JBCの検査体制の不備が明らかになり、最終的に井岡の潔白が証明されました。この騒動では検体の不適切な保管や情報漏洩など、JBC側の杜撰な対応が問題視され、井岡は精神的苦痛を訴えましたが、最終的にJBCからの謝罪を受け入れました。

私生活では2017年5月に歌手の谷村奈南と結婚しましたが、2018年11月に離婚しました。2019年6月には元モデルの一般女性と再婚し、同年8月に第1子男児、2022年7月に第2子男児が誕生しています。父親でありトレーナーでもある井岡一法は2012年度のエディ・タウンゼント賞を受賞するなど、井岡の成功には家族の支えも大きく影響しています。所属ジムは井岡ボクシングジム、SANKYO、DANGAN AOKIボクシングジムを経て、現在は志成ボクシングジムに所属しています。

井岡一翔は日本ボクシング史において特別な存在です。高校時代の6冠達成、プロ転向後の最速記録での世界王座獲得、日本人初の王座統一、そして日本人男子初の4階級制覇という数々の偉業を成し遂げてきました。引退と復帰を経験し、様々な困難を乗り越えながらも常にトップレベルで戦い続ける姿勢は、多くのボクシングファンに感動を与えています。現在36歳となった井岡ですが、5階級制覇という新たな目標に向けて挑戦を続けており、その挑戦はまだ終わっていません。

戦歴

結果 試合 階級 決着
井上拓真 vs 井岡一翔 バンタム級 試合前